新開発の炭素繊維複合糸「CfC yarn™」を用いて立体成形に成功
熱可塑性炭素繊維複合材向け立体中間基材の試作品を島精機製作所と共同開発
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東洋紡せんい株式会社(所在地:大阪市、代表取締役社長:清水栄一、以下「当社」)は、長年培った複合紡績糸技術を応用し、炭素繊維と熱可塑性繊維から成る熱可塑性炭素繊維複合糸「CfC yarn™」を新たに開発。このほど株式会社島精機製作所(所在地:和歌山市、代表取締役社長:島三博、以下「島精機製作所」)と共同で、同社のホールガーメント横編機を用いることで、熱可塑性炭素繊維複合材(CFRTP)向け中間基材として立体成形することに成功しました。この「CfC yarn™」を用いて立体成形した試作品を、2024年5月8日(水)から10日(金)までインテックス大阪で開催される「第4回サステナブルマテリアル展[大阪]」の当社ブースにおいて展示します。
炭素繊維複合材(CFRP)とは、炭素繊維を樹脂などの異なる素材で固めた複合材料で、軽くて強いうえに腐食せず、耐熱性も高いなどの特長を持つことから、自動車やバイク、土木建築用途から飛行機やレーシングカーなど、厳しい環境下での耐性が求められる幅広い用途向けに採用されています。炭素繊維と熱硬化性のエポキシ樹脂などを固めた熱硬化性炭素繊維複合材と、これをポリアミドやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂に変えた熱可塑性炭素繊維複合材とがありますが、近年では、生産性や環境配慮の観点から、長期保存や再成形が可能な熱可塑性炭素繊維複合体の採用が拡大しています。
このたび当社が新開発した熱可塑性炭素繊維複合糸「CfC yarn™」は、独自の複合紡績糸技術による糸構造を持たせることで、高い強度を得るのに必要な複合樹脂の含浸性や成形を容易にする柔らかい風合いを有するのが特長です。これまで炭素繊維複合材料では複雑な形状への成形が難しいなどの課題がありましたが、当社の「CfC yarn™」は、縫製工程が不要で糸から立体的な横編み製品を自在に作ることができる島精機製作所のホールガーメント横編機を用いることで、熱可塑性炭素繊維複合材向け中間基材として自由度の高い立体成形を可能にしました。「CfC yarn™」を用いて編み上げた立体状の中間基材にプレス加工などを施すことで、一般的な炭素繊維複合材と同等の性能を持つ、立体的な炭素繊維成形品を実現できます。
当社は、今後、島精機製作所と連携し、モビリティ領域をはじめとする国内外のさまざまな業界・メーカーなどに積極的に提案を進めていきます。保存性や生産性、リサイクル性で優位な環境配慮型の熱可塑性炭素繊維複合材向け立体中間基材の普及拡大に努めてまいります。
■ 第4回サステナブルマテリアル展[大阪]の概要
・期間/会場: 2024年5月8日(水)~10日(金)/インテックス大阪5号館(大阪市)
・当社ブース: 10-1
以上
<本試作品等に関するお問い合わせ先(一般のお客様)>
東洋紡せんい株式会社 技術開発部 新規事業開発グループ 電話:06-7638-7009